子どものやる気のない習い事、あなたはどうする?

育児

日本とカナダの習い事に対する価値観は?

水泳・球技・陸上・スケート・ホッケー・武道・ダンスなどなど運動系の習い事や、英会話・塾・プログラミング・料理などなど文化系の習い事が今の世の中、かなりあふれています。

さて、質問です。

あなたのお子さんは、いくつの習い事をしていますか?

日本時代、息子のクラスメイトたちは、ほとんどの人が複数の習い事をしていました。もちろん、小学校の低学年だったので、まだ絞らずに色々やっているといった場合もあるかと思います。
反して、何もやっていないと言う人はいるにはいたのですが、ごく僅かで、息子のようにスケートしかしてないというケースもあまりいませんでした。

また、カナダではどうでしょうか?

実はカナダでは、小学生くらいの間は複数の習い事をする子が多いのです。意外に感じるのではないでしょうか。ただし、日本の感覚とは決定的に違う点があります。それはガチでやらせないということです。

理由は様々ありますが

  • 子どものうちに経験させたい
  • 子どものうちは色々やることでのメリットが大きい
  • 全体的に安価
  • 子どもの好きを見つける

この辺りがほとんどを占めると思います。

こちらの保護者は「練習してるだけで最高!」なんなら「今日ここに来ただけでも最高!」だと思っています。日本の場合、無意識のうちに「やるからには高品質!」を目指していませんか?
カナダにも、世界レベルを目指す子ももちろんいます。しかし、そうでない場合は余計なところに気が取られない考えの方が多いです。つまり、「別にオリンピック目指してないから、楽しければいいじゃん」という価値観です。ですので、趣味のスケート教室の時に、我が子に怒っている保護者や喧嘩している保護者は珍しいです。ほとんど見かけません。

では、日本ではどうでしょうか?

知らずのうちに煽り・圧迫・脅迫をし、自由と価値観を奪う

練習させようとしている保護者、喧嘩している家族、多くないですか?
自宅で「なんで練習しないの?」という煽り圧迫、「練習しないならゲームさせないよ」などの脅迫をしていませんか?

時々、このような相談がきます。

『うちの子、全然ピアノの練習しないんです。ピアノの先生にも申し訳ないし、辞めさせた方がいいでしょうか?』

こちらは、正直ツッコミどころ満載です…。何が良くないのでしょうか?
☑️全然ピアノの練習をしない⇦面白くないからやらない
☑️ピアノの先生に申し訳ない⇦思い込み
☑️辞めさせた方がいい⇦「◯◯させる」という表現に支配感を感じる

まず、根本として、人間は好きなものでなければ続きません。
無意識にできることが好きなことです。
勘違いしてはいけないのですが、本当に好きなこととは気づかずにやってしまっているようなことです。
「ピアノは好きなんですけど…」と時々反論がありますが、その好きのレベルでは練習はできません。言い方を変えると、ピアノを弾くことは好きでも、上手になりたい・プロになりたいなどの高い目標レベルがありません。
大抵の人が、気の向いた時に・気の向いた曲を・気の向くままに(時間的に)やりたいだけなのです。これは、ピアノが本当に好きなんです!のレベルには相当しません。本当に好きな人や、本当に掴みに行きたい夢がある人は、常に気がピアノに向いています。時々気が向くのではなく、常に気が向いています。雲泥の差があります。

簡単に言ってしまえば、子どもからすると「そんなにやりたくない」の一言につきます。それを保護者が勘違いしてしまっているのです。やるからには上を!なんて無理です。好きでなければできません。なぜ、いつも高品質・高クオリティを目指さなければならないのでしょうか?戦後の日本全体がそう生きることで、立ち上がれたからです。悪いのはあなたではありません。戦後の日本には必要でした。
しかし、もう今は立ち上がったのに、まだ同じようなことをしています。それでは、成長はありません。

そんなにやりたくないことに対して練習を強要されるので、当然反抗心が生まれます。子どもはやりたくないのに、親はやらせたい。なんだかおかしくありませんか?やるのは子どもです。子どもがやってもやらなくても、親は関係ありません。無理にやらせてメリットはあるのでしょうか?それより、他に夢中になれるものに費やした方が人生楽しめます。

お金を出すから嫌なのでしょうか?子どもの経験という価値に変えるためなら、お金は出せるはずです。もしくは、お金を出したくないのであれば、本気になれないものへお金を出さなければ良いです。家族での葛藤の時間も資金ももったいないです。やってみて合わないのであれば、しがみつく理由はありません。潔く身を引けば良いのです。

それから、先生に申し訳ない、というのは思い込みです。私も20年以上音楽指導していますが、生徒が練習をせずにやってきても、あー、いつも同じことの繰り返しでこの人はいいのかな?と思っているだけです。こちらも同じ指導しかしなくて良いので、気は楽です。よし、次行こうか!と情熱をかける必要がないので、体力はあまり使わずに済みます。同じ料金をもらっているのに、なんだかこちらの方が申し訳ない気にすらなります。

先生で、練習してこないことや上達しないことで感情的になる先生も上記の保護者の例と同じで、先生が生徒を上達させたくてヤキモキするからです。私は全くヤキモキしません。なぜなら、やれば上達は必ずするからです。当然、やらなければ上達しません。でも、それは本人の問題で他者には関係ありません。

地道にコツコツペースでやるもよし、時々気が向いた時にやるもよし、世界を目指すもよし、なんですが、そこがはっきりしていないことと、本人がピアノとどのように付き合いたいのか保護者も先生も理解すべきです。

ですので、「◯◯させる」という言葉が日頃ポロっとでる方はご注意ください。煽り・圧迫・脅迫の元に子育てをしてしまうと、子どもは自由がなくなり価値観を抑圧されます。その結果、自分では何をしたらいいかわからない、他者の目を気にする、好きなことがわからない…などなど、のちに結構ハードな人生へと向かって行きます。

まとめ

子どもにやる気を感じなければ、まずは何もせずに少しの間見守りましょう。突かないことが大切です。やらなくても、人なんてそんなもんだと受け止めて流せる余裕が必要です。しばらく経ってもやる気が出ないようだったり、どんどんひどくなるならばサクッと辞めたら良いです。笑顔で辞めましょう。スッキリします。

習い事は、お子さん本人に向き合う時間を与えて、周りが変に操作しないことが大事です。

「やらせる」「辞めさせる」の「させる」思考から解放されて、素敵な日々を過ごしていきましょう!

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